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> 「ユニークな美術館」として全国87の美術館の一つとして評価されていた、秋田市の平野政吉美術館 (2014.6.23)

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2014.11.18
 「ユニークな美術館めぐり」 (新潮選書、新潮社) という書籍で、全国の特色ある87美術館の一つとして、秋田市の平野政吉美術館も選ばれていた。

 大美術館にはない独自の個性のある美術館として、誕生のいきさつや収蔵作品等がユニークな館として高く評価されていた。全87館中、東北では僅か4館しか選ばれていなかった。
 大原美術館、MOA美術館、彫刻の森美術館、横山大観記念館、浮世絵太田記念美術館、根津美術館、玉堂美術館著、山梨県立美術館、足立美術館 ……… 等の著名美術館の中に交じり、秋田市の資産家・平野政吉が集めた藤田嗣治作品に際立った特色を持つ美術館として、高く評されていた。

P1010417 平野政吉美術館(2011年7月)800x600-新2


 在りし日の平野政吉が、「秋田の行事」誕生のいきさつなどを語り、
 「日本画の伝統に根を下ろして日本の油絵を国際的に評価させた先駆者フジタ ― 画家になりたかったが地主の家をついだ平野氏、その出会いと交遊が東北の一都市にユニークな美術館を残した」 (ユニークな美術館めぐり 《新潮選書》、 新潮社) と記述されている。
 
 この書籍は、昭和57年に初版発行されているが、人気、反響が高かったようで、12年後の平成6年には第21刷まで刊行されていた。

 平野政吉美術館ように、全国的に見ても、顕著な特色、個性を持つ美術館を閉館させるとは、本当に惜しまれることだし、この館を閉館させた街の人々の神経とは、一体どんなものなのだろうか。

 自分の街の中にある、真の魅力を自覚できない、広い世間を知らない、感性の鈍い人々なのか。
 あるいは、文化、芸術に疎く、心の豊かさに欠ける人々なのか。

 この平野政吉美術館・秋田県立美術館は、行政によって老朽化のため新築が必要と言われたが、何度訪れても、外観上、使用不可の状態にはとても見えなかった。

 それが何と、新美術館を建設し、引っ越しを終えてから、旧館の建物の老朽化検査を行うのだそうだ。
 頭がどうかしているとしか思えない。

 美術館の真の価値も認識出来ないまま、新しい建物を建て、移転を急いだその目的、意図は一体何であったのか。

 そこには、再開発予定地の空地に、建物=箱を造ることを、何より優先させた卑しき利権構造が見える。
 その結果が、開業僅か1年半での、隣接新商業施設の大量の空スペース、半シャッター街状態である。
 当初から良識ある市民によって、指摘された事態が今、必然として起きているのである。

 公共事業、公共施設の建設は、公共のために行われるべきものである。
 市民のニーズを徹底的に調査、把握した後に、計画されるべきである。
 秋田市中通の日赤跡地再開発は、そういったプロセスを経たものだったのか。
 美術館の移転は、本当に必要なものだったのか。
 特定の人達の、特定の目的を実現するための再開発事業であったとしか思えない。


<参考記事>
平野政吉、1955年(昭和30年)開催「平野コレクション展」での挨拶


<お薦め記事>
藤田嗣治の壁画「秋田の行事」が描かれた時代の背景 ~ 一体感を持つ「平野政吉美術館」
レオナール・フジタ(藤田嗣治)に大壁画「秋田の行事」を描かせた、秋田の傑人・平野政吉




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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


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