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> 新県立美術館の藤田嗣治「秋田の行事」展示室は、「狭い、窮屈」 ~ 平野政吉美術館より劣化

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2013.10.06
 新県立美術館の本オープンを伝える、9月29日の地元紙の記事を読むと、新県立美術館の展示室について、「奥行きは旧美術館より約9メートル短い13メートル」(2013年9月29日、秋田魁新報)、「『ちょっと狭くて、壁画も窮屈に感じた』と、初めての空間に戸惑う秋田市の会社員女性(52)も」(2013年9月29日、秋田魁新報)という話が載っていた。
 行政に迎合的な姿勢がある魁紙でさえ、記事にして伝えている位だから、実際の鑑賞者は、かなり窮屈で戸惑いがあったと思われる。また、美術館側の話として「3階から見たときの迫力は旧美術館よりはるかに増した。新しい空間で新しい鑑賞の仕方を楽しんでほしい」(2013年9月29日、秋田魁新報)とも伝えていた。どうも、この新展示室では、正面から壁画と向き合える、最も一般的な2階部分から「秋田の行事」を観た場合、平野政吉美術館の大展示室と比べ、相当窮屈に見えるらしく、「秋田の行事」の迫力は、吹き抜けの3階部分に行って見ないと分らないようである。

 9メートルも奥行きが短くなったのだから、その分だけ「迫ってくる」(2013年9月29日、秋田魁新報)のは当然だろう。一方で、その分、この展示室では、この壁画の持つ雄大さ、スケール感を感じることは出来ないだだろうし、藤田の助言を取り入れた大展示室で観た時のような、重厚感や壁画と一体化したような感覚も持てないだろう。まして、絵から、描かれた時代の音が聞こえる、息遣いが聞こえるという感覚も当然持てないだろう。また、藤田が、壁画のために指示した上方からの自然光による採光形式も取り入れていない。完全に、平野政吉美術館の展示室より、劣化した展示室と言える。

 そして、今、新美術館を訪れている人々は、言ってみれば、有名女優のテレビコマーシャルに誘われてやって来た、物見遊山の見物人がほとんどであり、CM終了とともに、姿を消していくことが明白である。
 今朝の新聞に、「6日間で、7211人が来館した」(2013年10月5日、秋田魁新報)という県の話が載っていたが、何も意味のない数字と言える。

 この展示室では、「秋田の行事」に出会った「感動」は伝わらないだろう。平野政吉美術館では、「秋田の行事」を観て、感動して涙を流す人さえいた。安藤忠雄氏設計の展示室では独自のメッセージが何も無ければ、平野政吉が藤田嗣治から受けた指示を、真摯に継承している姿勢も見受けられない。(床から約1.8メートル上げた展示方法のみ)

 引っ越すこと自体が目的であって、平野政吉美術館の展示室を超える意欲もなければ、斬新さも、魅力もない展示室である。

 グレーのコンクリート剥き出しの建物で、周囲のざわざわした喧噪に囲まれながら、重厚さのない展示室で、藤田嗣治渾身の大壁画を観ようとは思わない。

 先日、ツイッターで、初めて「秋田の行事」を観た人が、寧ろ他の作品のほうが良かったと言っていた。こういう来館者が増えれば、新美術館の「秋田の行事」展示室は、失敗であったと言うことになるだろう。



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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


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提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


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