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2013.09.15
 9月13日に、NHK秋田で放送された「世界のフジタ“伝統”への回帰 ~片岡鶴太郎×『秋田の行事』~」という番組を見た。

 フランス・パリを舞台に活躍し、時代の寵児と言われた画家・藤田嗣治が、日本に戻った際、秋田の地で描いた大作、壁画「秋田の行事」。この壁画と「平野政吉美術館」で出会い、魅せられた片岡鶴太郎さんが、藤田嗣治の創作の内側に迫り、秘話を探訪するという内容の番組であった。

 番組では、、随筆集「地を泳ぐ」(1942年《昭和17年》、書物展望社[復刻:1984年《昭和59年》、講談社])に収録されている「裏日本」の頁から、秋田に関するものを取り上げ、

「城跡やら土手やら兵営やらが、明治初年頃の気分を直感させてくれる」(随筆集「地を泳ぐ」1942年《昭和17年》、書物展望社[復刻:1984年《昭和59年》、講談社])という千秋公園、「発動船に乗って北側の島々の間、奇岩珍岩の間を遊覧した」(随筆集「地を泳ぐ」1942年《昭和17年》、書物展望社[復刻:1984年《昭和59年》、講談社])という男鹿半島の椿白浜などを探訪していた。

 特に、昭和12年、藤田が監督を務めた映画「現代日本 子供編」の貴重なフィルムが映像で流れ、「秋田の行事」に通じる、躍動的で生き生きとした当時の子供達が映し出され、興味深かった。

 しかし、この番組では、「秋田でのフジタ」を語る場合、欠くことのできない、画家・藤田嗣治の支援者であり、かつ深い親交があった秋田の資産家・平野政吉について、何一つ取り上げておらず、秋田のフジタの番組として、極めて不十分なものになったようだ。

 また、現県立美術館(平野政吉美術館)から、その象徴であり、魂である壁画、「秋田の行事」を移すという、歴史的な愚行、蛮行を一大プロジェクトの如き捉え、その作業を番組の初めと終わりに放送する姿勢に、行政迎合的なPR番組にも感じられた。

 NHKは、「秋田の行事」を移設した行為に、「寂しい」、「残念だ」、「何故?」という思いを抱いている、多くの県民、市民の声なき声が存在することを理解すべきである。

 番組のラストに、新展示室に展示されていた「秋田の行事」が見えたが、何の期待感や喜びもない。
 体育館を連想させる茶色のフロア、四角く低い天井で観た「秋田の行事」は、平野政吉美術館で観た時のように、人々を重厚で、落ち着いた、豊かな気持ちにさせるだろうか。甚だ疑問である。


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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


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現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


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