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> 藤田嗣治が随筆「巴里の横顔」で語る ~ 大根や人参や缶詰を見た後で、絵画を見る事は、絵画への侮辱 (2013.2.8)

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2013.08.02
 大壁画「秋田の行事」などを描いた世界的画家・藤田嗣治は、自身初の随筆「巴里の横顔」(1929年《昭和4年》、実業之日本社)の中で、芸術作品、絵画を、商業施設と結び付けることに対して強い口調で批判している。
 藤田嗣治作品を再開発地区のにぎわいづくりに利用したい、にぎわいに繋げたいとして、新県立美術館を建設した県であったが、多くの美術愛好家はもちろんのこと、当の藤田嗣治にも、その考えの誤りを指摘されているのである。
 藤田嗣治は、フランスで成功を収めた後、1929年(昭和4年)に帰国し、自身初の随筆「巴里の横顔」(実業之日本社)を発表し、人気を得たが、その中で、

 「パリの百貨店と日本の百貨店と違ふ所は、例へば、百貨店で絵の展覧会をしたり芝居を見せたりする様なことが、全然ないのである。…… 何故、百貨店で絵の展覧会をしないのかといふと、絵を観賞するべく周囲があまりに、雑然としてゐるからである。考へてみても、大根や人参や缶詰を見た後で、絵画を見るといふ事は、実に、絵画を、侮辱した話で、いい印象がえられないのは、分かり切つた事である」(藤田嗣治「巴里の横顔」105頁、昭和4年、実業之日本社)

と語っている。特に「大根や人参や缶詰を見た後で、絵画を見るといふ事は、実に、絵画を、侮辱した話」という言葉に、作家としてのプライドと絵画観賞をする際の藤田の繊細な考え方がよく表れており、雑然とした周囲の中で絵画鑑賞をすること、食料品などを見たり、買ったりした後で絵画鑑賞することを「絵画を侮辱した話」であるとして、強く批判し、否定している。

 商業施設と美術館、藤田嗣治作品を結び付け、街のにぎわいに繋げるという県の考え方は、藤田嗣治本人によって、はっきりと否定されているのである。




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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
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(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


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