Akita Column 評論
> 平野政吉美術館の展示状況を詳細に紹介 ― BSジャパン「美の巨人たち」の 藤田嗣治 『秋田の行事』

<< topページへ
<< 天皇皇后両陛下、昭和天皇・香淳皇后も行幸啓された平野政吉美術館へTOP現県立美術館(平野政吉美術館)から藤田嗣治「秋田の行事」を移設すべきではないへ >>
2012.07.25
 7月22日、BSジャパンで放送された 「美の巨人たち」 藤田嗣治 『秋田の行事』 (テレビ東京で6月23日に放送分)では、平野政吉美術館の外観や展示室内部が、映像で詳細に紹介されていた。なだらかな曲線を描いた18メートルの高さの天井から柔らかく自然光が入り、500平方メートルの広々とした大空間に展示されている「秋田の行事」。「秋田の行事」の展示場所はこの空間が最も相応しいと改めて確信した。P1010507 平野政吉美術館(6月) 800x600
 平野政吉美術館の「秋田の行事」は両端が少しずつ迫り出し、湾曲して展示されている。「秋田の行事」の展示方法は、藤田嗣治に、「湾曲させて設置するように」と言われていたことが、平野家に伝わっていると、番組の中に登場した平野政吉美術財団の学芸員の方も語っていた。 
 藤田は、壁画の中央に立つと、画面が右奥、正面奥、左奥に奥行き、広がりを持って見えるように、構図を計算し、描いていたのだ。藤田はこの臨場感を狙い、描き、展示の仕方を指示したようだ。「秋田の行事」は壮大な秋田パノラマであり、秋田絵巻である。
 パリ時代の乳白色を捨て、南米での2年間の旅、メキシコでの壁画運動との出会いを通じ、藤田の画風は驚くべき変貌を遂げ、「秋田の行事」は一つの到達点となった。そこには、祭りの赤、空の青、雪の白 … 鮮やかな色彩と慎ましく温い人々の暮らし、情熱、エネルギーに満ちた秋田の祭りが描かれていた。
 番組に登場した秋田の山田実さん(92歳)は、「この絵を観ると音の世界が甦ってくるんです。母にごしゃかれた(叱られた)こと、梵天の『ジョヤサジョヤサ』の掛け声、秋田音頭の『ハイキタカサッサー』の音が聞こえて来るのです」と語っていた。
 「平野政吉美術館」は、そんな「秋田の行事」の叙情的な光景も思い出させてくれる、落ち着きある美術館である。
 藤田嗣治と平野政吉の思いが込められたこの美術館で、「秋田の行事」、平野政吉が収集した藤田嗣治作品を観る、これ以上のものはないだろう。
 秋田の多くの人に、そのことに気付いてもらいたい。平野政吉への感謝の気持ちを込め、「秋田の行事」を始とした収蔵作品とともにこの美術館を大切にすべきである。



<お薦め記事>
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
藤田嗣治「秋田の行事」の魅力
秋田の文化遺産…平野政吉美術館
平野政吉の業績…平野コレクションと美術館
平野政吉のエピソード
平野政吉美術館と一体である藤田嗣治作品
平野政吉美術館の移転理由は何か [新規構成]
藤田嗣治画伯の「秋田の行事」の移設は、「文化の創造」と言えるか?
藤田嗣治「秋田の行事」の展示に最善の場所
発見された藤田嗣治の日記と「秋田への思い」、「秋田の行事」、「美術館建設」
藤田嗣治の大壁画「秋田の行事」誕生 … 平野政吉と藤田嗣治の美術館建設構想
藤田嗣治「中南米の旅」から「秋田の行事」へ




関連記事
スポンサーサイト



藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


ブログランキング・にほんブログ村へ   にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録



  • 2012.07.25(16:35)|評論||TOP↑
    プロフィール

    akitacolumn

    Author:akitacolumn
    秋田市在住
    性別 : 男

    カレンダー
    05 | 2017/06 | 07
    - - - - 1 2 3
    4 5 6 7 8 9 10
    11 12 13 14 15 16 17
    18 19 20 21 22 23 24
    25 26 27 28 29 30 -
    ブログランキング
    メール
    My Yahoo!
    My Yahoo!に追加
    最新記事
    全記事表示リンク
    最新記事②
    Twitter
    サイト内ランキング
    hatena bookmark
    タグ

    再開発事業 十和田市現代美術館 レオナール・フジタ 平野政吉コレクション SANAA 平野政吉 秋田の全貌 再開発 欧人日本へ渡来の図 ルーブル美術館新館 (公財)平野政吉美術財団 現県立美術館 建築家 平和の聖母礼拝堂 秋田 課題山積県 御隅櫓 カーニバルの後 銀座コロンバン天井画 都市公園 学芸員 公共施設 神奈川県立近代美術館鎌倉館 幻の藤田美術館 藤田の思い、メッセージ 相乗効果 市民 新秋田県立美術館 新県立美術館 文化ゾーン 秋田県立美術館 藤田嗣治「秋田の行事」 巴里の横顔 ミュージカル 眠れる女 安藤忠雄講演会 文化的価値 久保田城 詩の国秋田 共存 巴里の昼と夜 現代壁画論 壁画 入館者数 秋田市 秋田県 金沢21世紀美術館 花鳥図 丸窓 千秋公園 ルーブル美術館別館 美術館の価値 にぎわい交流館 現秋田県立美術館 ルーブル美術館 現代日本 美の巨人たち 秋田市中通再開発 ニューヨーク近代美術館新館 地を泳ぐ 平野政吉美術館 秋田県記念館 現代アート 藤田嗣治への旅 県民の声 自然光 魅せられたる河 マドレーヌ 美術館 秋田駅前 秋田の行事 歴史的建造物 耐用年数 佐竹史料館 藤田嗣治「秋田の行事」展示館 秋田市中通 北の丸公園 藤田嗣治 SANAA 市民公園 乳白色の下地 郷愁 

    カテゴリ
    秋田の文化遺産を考える
    このブログをリンクに追加する
    リンク
    FC2ブログランキング
    フリーエリア
    Bダッシュ
    月別アーカイブ
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR
    お知らせ
    ※ 掲載の記事、写真等の無断転載を禁止します。