Akita Column 評論
> 平野政吉美術館(秋田県立美術館)の丸窓について

<< topページへ
<< 建築家・安藤忠雄氏と秋田との関わりへTOP安藤忠雄氏設計の美術館は必要?へ >>
2011.07.09
 千秋公園のお堀を前景にして建てられた平野政吉美術館は、日本宮殿流れ式と言われる優美な曲線の屋根、そこに付けられた採光のための丸い窓が特徴だ。この丸い窓は、平野政吉が美術館建設の報告のため、パリ郊外の藤田嗣治を訪ねた際、藤田嗣治から直接助言されたためであることが明らかになっている。「美術館の屋根は、ランス礼拝堂のような採光の形式にしてくれ」藤田はそう平野政吉に語っている。複数の新聞、雑誌の中で平野政吉はその事実を明示している。平野政吉美術館は世界の巨匠・藤田嗣治画伯と深い関わりのある美術館である。この美術館を建物と一体である藤田画伯の作品とともに秋田の宝として、後世に伝えていくべきである。昨年の県議会において平野美術館の丸窓からの自然光が絵に悪い。だから移転が必要だという議論がされた。しかし、世界の美術館を見るとフランス、パリのルーブル美術館、オルセー美術館、アメリカ、ニューヨークのメトロポリタン美術館など自然光を採り入れている美術館は多くある。ルーブルでは、500年以上前の絵画も自然光がふんだんに採り入れられた環境の下、鑑賞されている。平野政吉美術館の館内に自然光を採り入れているのは、藤田嗣治の助言によるものだ。美術館移転の理由には到底なり得ないのである。「秋田の行事」には、藤田嗣治の最後の大作、「平和の聖母礼拝堂」に描かれたフレスコ壁画と同じ様に柔らかな自然光が降り注いでいる(注)。


(注) 当ブログ著者が、2011年(平成23年)12月6日、平野政吉美術館にて確認したところ、美術館の屋根の丸窓から展示室に降り注ぐ自然光が、現在、設置された仕切りで遮られています。藤田嗣治が助言した自然光の採光形式にすべきと考えます。


<お薦め記事>
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
平野政吉の業績…平野コレクションと美術館
美術館と自然光について
平野政吉のエピソード
平野政吉美術館と一体である藤田嗣治作品
平野政吉美術館の移転理由は何か [新規構成]
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 1 … 出会い
大壁画「秋田の行事」誕生、美術館の壁画に … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 3
18年ぶりの再会、念願の美術館建設の実現 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 4
最後の作品「平和の聖母礼拝堂」、永遠の別れ、永遠の友情 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 5
藤田嗣治が助言した平野政吉美術館の採光
発見された藤田嗣治の日記と「秋田への思い」、「秋田の行事」、「美術館建設」
藤田嗣治画伯の「秋田の行事」はあの建物と一体になってこそ秋田の宝
レオナール・フジタ最後の作品「平和の聖母礼拝堂」と平野政吉美術館



関連記事
スポンサーサイト



藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


ブログランキング・にほんブログ村へ   にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 秋田県情報へ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録



  • 2011.07.09(02:01)|評論||TOP↑
    プロフィール

    akitacolumn

    Author:akitacolumn
    秋田市在住
    性別 : 男

    カレンダー
    10 | 2017/11 | 12
    - - - 1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 - -
    ブログランキング
    メール
    My Yahoo!
    My Yahoo!に追加
    最新記事
    全記事表示リンク
    最新記事②
    Twitter
    サイト内ランキング
    hatena bookmark
    タグ

    秋田市中通再開発 耐用年数 詩の国秋田 SANAA 相乗効果 銀座コロンバン天井画 藤田嗣治「秋田の行事」 平野政吉コレクション 秋田の全貌 平野政吉美術館 御隅櫓 市民 地を泳ぐ 現代日本 藤田嗣治への旅 自然光 新秋田県立美術館 共存 巴里の横顔 学芸員 秋田市中通 県民の声 文化的価値 都市公園 レオナール・フジタ 旧・秋田県立美術館 秋田県立美術館 丸窓 平野政吉 現代壁画論 花鳥図 秋田県記念館 ルーブル美術館新館 現代アート (公財)平野政吉美術財団 十和田市現代美術館 ルーブル美術館別館 壁画 ニューヨーク近代美術館新館 SANAA 巴里の昼と夜 歴史的建造物 藤田嗣治「秋田の行事」展示館 美の巨人たち 再開発事業 マドレーヌ 藤田の思い、メッセージ 課題山積県 ルーブル美術館 公共施設 秋田市 欧人日本へ渡来の図 美術館 佐竹史料館 安藤忠雄講演会 眠れる女 建築家 郷愁 文化ゾーン 千秋公園 秋田駅前 現秋田県立美術館 再開発 北の丸公園 幻の藤田美術館 市民公園 魅せられたる河 ミュージカル 神奈川県立近代美術館鎌倉館 にぎわい交流館 藤田嗣治 金沢21世紀美術館 現県立美術館 美術館の価値 平和の聖母礼拝堂 新県立美術館 秋田県 乳白色の下地 入館者数 秋田 カーニバルの後 久保田城 秋田の行事 

    カテゴリ
    秋田の文化遺産を考える
    このブログをリンクに追加する
    リンク
    FC2ブログランキング
    フリーエリア
    Bダッシュ
    月別アーカイブ
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR
    お知らせ
    ※ 掲載の記事、写真等の無断転載を禁止します。