Akita Column 評論
> 移転理由が存在しなくなった現県立美術館(平野政吉美術館)

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2011.12.17
 県教育委員会が、現県立美術館の建物を存続させる場合の活用策を募集したと言う。新県立美術館ウェブサイトや秋田市広報(10月21日号)、地元紙(9月14日付、秋田魁新報)で周知したとのことだが、扱いが小さかったためか、47の個人・団体から意見が寄せられただけであったと言う。その結果によると、教育文化施設としての活用を求める意見が最も多く、全体の6割を超えていたとのことである。また、他の施設としての活用策も含めて9割以上が現県立美術館を存続させる意見を寄せていることが明らかになっていた。圧倒的多数の県民、市民が、現県立美術館(平野政吉美術館)の建物の存続を求めているのは当然のことと言えるだろう。ここで問題なのは、現県立美術館(平野政吉美術館)の移転理由の一つに、建物の老朽化を挙げていたことである。県が活用を前提に建物の活用策を募集し、県民が活用を求めているのであれば、移転理由がそもそも存在しないことになる。また、建物の活用と言っても、現県立美術館(平野政吉美術館)自体が、平野政吉が藤田嗣治に依頼し、制作された大壁画「秋田の行事」と平野政吉から寄贈されたコレクションを展示することを目的に配慮され、設計されていることは周知の事実である。特に大壁画「秋田の行事」を展示している広さが500㎡、高さが約18メートルある大展示室の大空間は、「秋田の行事」の展示、鑑賞のためのものであり、他に何の利用が考えられるだろうか。現県立美術館(平野政吉美術館)は、今まで通り、「秋田の行事」、平野コレクションの展示の場として存続させ、新美術館の展示は、再開発地域を活性化する力を持つ、現代アート作品などに変えることが最善である。



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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
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(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


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