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> 藤田嗣治と平野政吉の思いが伝わらない、秋田駅内での「秋田の行事」の広告 (2015.12.4)

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2017.09.21
 先月下旬、旅行のためJR秋田駅を利用した際、改札内の通路の壁に、藤田嗣治制作の壁画「秋田の行事」を撮影し、縮小したものが張り出されていた。帰路、秋田に着いた後、目にしたのだが、その無造作な張り方に、嘆かわしい思いになった。

 実際の壁画は、縦3.65メートル、横20.5メートルの巨大作品だが、その十分の一位に見える絵の複製が、まるで通路の壁を埋め合わせるかのような状態で張られていた。
 あれでは、目にした人が単に、横に長い絵だと思うに過ぎない。

 画家・藤田嗣治が、秋田の四季の祭り、風物、人々の暮らしを見つめ、描いた巨大壁画「秋田の行事」。フジタは、この壁画の展示方法に画家としての強い拘りを持っていた。

 絵の高さは、人々の視線より、やや高めの6尺(約1.8メートル)とし、近付けばやや見上げる感じ、十分な距離を持ち見る場合は、全体像を一望出来るように工夫され、絵の両端は湾曲した設置にするよう指示し、離れた位置からも遠くに感じないように工夫されていた。さらに、色の厚みなどが自然に感じられるよう、絵に上方から自然光を採り入れるよう求めた。 P1010022 平野政吉美術館(2013年4月)

 そういったフジタの意向が反映されたのが、旧・秋田県立美術館(平野政吉美術館)の、広さ550平方メートル、天井高18メートル、柔らかな自然光が上方から採り入れられた、「大壁画展示室」であった。

 また、平野政吉は、自らの生涯を懸け、収集した藤田作品に強い愛着を持ち、作品が、他会場で展示される際には必ずその作品に付き添って出掛け、藤田作品とともにあるという人生を貫いた人であった。「秋田の行事」に至っては、門外不出とされ、長く画集への掲載も認めていなかったのである。

 さらに、フジタは、 「私の絵は、すべて国宝になる」 と平野政吉に豪語した、プライドと画技を持った人物でもある。
 その藤田嗣治の渾身の大作(複製)を、無造作に、通路の壁を埋める張り紙のように張っていたのである。
 こんな絵へ敬意が感じられない張り方では、フジタも平野政吉も悲しむことだろう。

 新築した美術館の宣伝のつもりなのだろうが、このような「秋田の行事」の広告の仕方では、この絵の良さがまるで伝わらないのは、言うまでもない。

 もっとも、十分に使用可能な旧来の美術館(平野政吉美術館)から「秋田の行事」など藤田作品を、無謀にも移した新築の美術館においても、絵の良さが伝わらない点では、一緒であると言える。


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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


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提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
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