Akita Column 評論
> 藤田嗣治画伯の「秋田の行事」の移設は、「文化の創造」と言えるか?

<< topページへ
<< 藤田嗣治「秋田の行事」の展示に最善の場所へTOP美術館と建築家…ルーブル、金沢21世紀、十和田、ニューヨークへ >>
2011.08.19
 秋田市中通の再開発予定地に建設予定の新県立美術館について、秋田県教育委員会は、「(財)平野政吉美術館所蔵の藤田嗣治作品による文化の創造」と謳っている。「創造」とは、新しいものを自らの考えで創り出すことである。予定されている新県立美術館は、現県立美術館にある平野政吉コレクション、大壁画「秋田の行事」を始めとした藤田嗣治作品をそのまま移転、移設した展示を考えており、「文化の創造」とは言えない。誰が考えても明らかなことである。「文化の創造」と言う場合、展示などが今までにない独自のもの、創意工夫を凝らしたものであることを指す。藤田嗣治画伯も人のまねではない独自のものを作りなさいと生前語っていたと言う。今回の秋田県立美術館(平野政吉美術館)の移転計画は、明確な理念から出発したものではなく、始めに「美術館の移転新築ありき」から出発したものであった。美辞麗句のコンセプトを後から付けても、脆弱な中身の乏しいものしか生まれないだろう。また新県立美術館について「街、人、文化の共生」とも言っているがこれも奇怪な表現である。共生とは、異なった種類のものが共に生きることである。人が街を作り、文化は人そのものである。「街、人、文化」は一体のものであり、共生と言う表現は当てはまらない。また、新県立美術館について「秋田の文化力の発信」と言っているが、平野政吉コレクション、藤田嗣治作品のほかにも、秋田には誇れる文化が多数ある。全国最多の15件もある重要無形文化財や小田野直武「不忍池図」(国指定重要文化財)を始めとした秋田蘭画もある。新しく建設する美術館を「秋田の文化力」と言うのは適切でない。結局は美辞麗句を並べ、尤もらしい言葉で、美術館の移転新築を推し進めているだけにしか過ぎないのではないか。



<お薦め記事>
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
平野政吉の業績…平野コレクションと美術館
美術館と自然光について
藤田嗣治「秋田の行事」と平野政吉美術館は一体の文化遺産
平野政吉のエピソード
平野政吉美術館と一体である藤田嗣治作品
平野政吉美術館の移転理由は何か [新規構成]
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 1 … 出会い
大壁画「秋田の行事」誕生、美術館の壁画に … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 3
18年ぶりの再会、念願の美術館建設の実現 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 4
最後の作品「平和の聖母礼拝堂」、永遠の別れ、永遠の友情 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 5
発見された藤田嗣治の日記と「秋田への思い」、「秋田の行事」、「美術館建設」
藤田嗣治画伯の「秋田の行事」はあの建物と一体になってこそ秋田の宝


<最近のお薦め記事>
テレビ東京「美の巨人たち」で 藤田嗣治「秋田の行事」が放送されます
美の巨人たち「藤田嗣治 秋田の行事」 BSジャパンで7月22日放送!!
藤田嗣治「秋田の行事」の魅力




関連記事
スポンサーサイト



藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


ブログランキング・にほんブログ村へ   にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録



  • 2011.08.19(13:00)|評論||TOP↑
    プロフィール

    akitacolumn

    Author:akitacolumn
    秋田市在住
    性別 : 男

    カレンダー
    08 | 2017/09 | 10
    - - - - - 1 2
    3 4 5 6 7 8 9
    10 11 12 13 14 15 16
    17 18 19 20 21 22 23
    24 25 26 27 28 29 30
    ブログランキング
    メール
    My Yahoo!
    My Yahoo!に追加
    最新記事
    全記事表示リンク
    最新記事②
    Twitter
    サイト内ランキング
    hatena bookmark
    タグ

    マドレーヌ 花鳥図 十和田市現代美術館 公共施設 美術館の価値 SANAA 眠れる女 欧人日本へ渡来の図 ルーブル美術館別館 相乗効果 美術館 藤田嗣治「秋田の行事」展示館 (公財)平野政吉美術財団 北の丸公園 秋田市中通再開発 秋田の全貌 秋田市 ルーブル美術館 秋田駅前 秋田県記念館 銀座コロンバン天井画 カーニバルの後 現秋田県立美術館 レオナール・フジタ 再開発 にぎわい交流館 現代日本 巴里の昼と夜 歴史的建造物 平和の聖母礼拝堂 丸窓 建築家 藤田嗣治への旅 平野政吉コレクション 平野政吉 安藤忠雄講演会 県民の声 現県立美術館 地を泳ぐ SANAA ミュージカル 平野政吉美術館 秋田県立美術館 再開発事業 ニューヨーク近代美術館新館 入館者数 自然光 乳白色の下地 文化的価値 魅せられたる河 秋田の行事 神奈川県立近代美術館鎌倉館 都市公園 秋田 秋田市中通 新秋田県立美術館 新県立美術館 文化ゾーン ルーブル美術館新館 市民 佐竹史料館 共存 巴里の横顔 久保田城 秋田県 美の巨人たち 藤田の思い、メッセージ 現代壁画論 市民公園 耐用年数 学芸員 藤田嗣治 金沢21世紀美術館 壁画 現代アート 千秋公園 郷愁 幻の藤田美術館 課題山積県 藤田嗣治「秋田の行事」 詩の国秋田 御隅櫓 

    カテゴリ
    秋田の文化遺産を考える
    このブログをリンクに追加する
    リンク
    FC2ブログランキング
    フリーエリア
    Bダッシュ
    月別アーカイブ
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR
    お知らせ
    ※ 掲載の記事、写真等の無断転載を禁止します。