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2015.09.03
 秋田の地元紙が、連日、旧・県立美術館を市の管理で運営するようなことを報道している。(注)
 2013年に4年制の大学として、認可、開学になった秋田公立美術大学 (実質、秋田市立) の関連施設として残すという案なのだいう。

 結局の所、新・県立美術館の建設の理由は、一体何であったのか、県知事らは、県民に丁寧な説明をすべきではないのか。
 県議会等において、現・県立美術館 (当時) が老朽化し、10年以内の耐震補強のための大規模改修が必要となる。県の財政上の理由から今回移転したほうがよいと言う説明されていた。

(参考 … 平野政吉美術館の移転理由は何か 理由のない美術館移転、誰のため? 何のため?

 新県立美術館の完成、オープンの後に、県民の要望が多いからと言って、取り壊しをせず、残すというのであれば、そもそも新県立美術館建設の理由が存在しない訳であり、ペテンと言われても過言ではない。
 何という杜撰な行政なのか。

 また、新県立美術館の完成を持って終了した、秋田市中通一丁目の再開発事業では、オープン僅か一年半で、美術館に隣接した商業施設の運営会社と、施設内の大半のテナントが撤退する事態となっている。
 美術館の移転が、近隣施設の賑わいに繋がらなかったことが明確になったのである。これは、新美術館の移転前から予測され、指摘されていたことだ。

 結局、県民世論に逆らって、新県立美術館建設を強行した県などは、財団法人・平野政吉美術館 (現、公益財団法人・平野政吉美術財団) 所蔵の藤田嗣治画伯の大作壁画「秋田の行事」を再開発予定地に移設したかっただけであり、また、この移設がなければ、秋田市中通一丁目の再開発事業は完結しないと、尤もらしく、再開発事業を進め、県民を欺いただけではないか。

 また、報道のように、旧・県立美術館を秋田公立美術大の関連施設として残すような事態になれば、広範な、秋田県民、市民の利用が困難になる可能性が大であり、止めるべきである。
 旧・県立美術館開館の経緯、歴史など何も理解していない若年層にのみ、この由緒ある建物を解放するようなことがあってはならない。

 また、日本全国、少子化が進む中、美術を学ぶ上で魅力ある都市とは言えない秋田市の美術大に、これから先、学生が集まるのか不透明であり、大学自体の存立さえ、不透明と言えるだろう。
 僅か人口32万の都市に、公立の4年制の美術大を開学させ、多額の市費を恒久に投入し続ける政策判断をした、現秋田市長の行政能力も大いに疑問である。 
 
 旧・県立美術館が、美術品展示など、美術館としての利用が可能であると、明確に判断されたのであれば、
 藤田嗣治が生前、壁画の展示方法、見せ方などを助言し、巨大壁画の鑑賞に最適な大空間の展示室と採光形式を有していた、旧美術館・展示室に「秋田の行事」を戻し、真の「秋田の行事」展示館として利用することが最善の方法である。

 建物、壁画一体となった文化的価値を次代に継承し、さらには観光資源としての価値を高めて行くべきである。


(注)
「旧県立美術館(千秋明徳町)は、秋田公立美術大の関連施設として活用される案が浮上している」 (2015年9月1日、秋田魁新報)
「旧県立美術館は市が管理し、秋田公立美術大の学生や卒業生による作品展示、市民による文化活動の場とする」 (2015年9月2日、秋田魁新報)




<関連記事>
旧・秋田県立美術館の今後について~県民の声

美術館を移転させた後、今頃、旧来の秋田県立美術館(平野政吉美術館)の耐震診断をした、理解不能な秋田県 ― しかも、改修費は、以前、議会で発言した10年で10億円を大きく下回る、15年で6億8700万円 ~ 移転は必要なかった!!

秋田県立美術館(旧)の今後について ― 「秋田の行事」展示館か、「秋田の行事」展示を中心とした、「県立美術館・本館」にすべきである。

「ユニークな美術館」として全国87の美術館の一つとして評価されていた、秋田市の平野政吉美術館

新秋田県立美術館の入館者数が予想を上回る減少




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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


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  • 2015.09.03(05:30)|未分類||TOP↑
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