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2015.08.21
 日本初の公立近代美術館で、日本の代表的な近代建築でもある、神奈川県立近代美術館鎌倉館 (鎌倉市) について、神奈川県教委は1月23日、耐震補強により建物の存続が可能とする調査結果を発表しました。
 同館は、老朽化や耐震基準を満たしていないことを理由に、平成28年3月末で閉館されることになっていましたが、日本建築学会などから建物の存続を求める要望書が提出されていたと言うことです。

 神奈川県教委の発表によると、その耐震工事費用は、約2億1千万円が見込まれるというということです。

 「県教委は昨年8月から耐震調査を実施、震度6~7クラスの地震で倒壊の危険性があるが、柱脚補強で耐震性が向上することが分かった。耐震工事の実施費用は約2億1千万円が見込まれるという」 (2015年1月24日、産経ニュース)

 秋田県では、秋田市千秋公園入口にあり、一昨年6月、再開発事業の一つとして、新美術館が建設された煽りで、閉館扱いになってしまった 旧・秋田県立美術館 (平野政吉美術館) がありますが、秋田県によると、建物の存廃については未定とのことで、秋田県教委が昨年12月10日、館内の利用ができないモニュメントとした場合は2億3200万円、美術館使用の場合は6億8700万円、建物の一部をホールとする場合は8億4900万円などの耐震補強などの工事費を発表しております。

 神奈川県立近代美術館鎌倉館の場合の耐震工事費と比較し、この金額の違いには驚かされます。第一、単なるモニュメントとして残す場合でも、2億3200万円も掛かるとは信じられない金額ではないでしょうか。

 また、神奈川県のように、柱脚補強で耐震性を向上させる方法が取れないものなのでしょうか。
 秋田県教委に、別業者への見積り依頼など、耐震工事費等の精査を望みたいものです。
 
 神奈川県では、日本初の公立近代美術館である神奈川県立近代美術館鎌倉館を、耐震補強により建物を存続させ、活用する可能性を探るために、耐震調査を実施しました。
 一方、秋田県では、存廃を決める判断材料にするために耐震調査を実施したとのことです。単純なコスト比較で建物の行く末を決めようとする姿勢が見えるようです。
 自治体の貴重な建造物を保存しようとする熱意が問われているのではないでしょうか。



(注)
神奈川県立近代美術館鎌倉館 ― 1951年(昭和26年)開館、設計・坂倉準三、延床面積1,575㎡。
旧・秋田県立美術館(平野政吉美術館) ― 1967年(昭和42年)開館、設計・日建設計工務株式会社(現株式会社日建設計)、延床面積2,860㎡。


<参考>
千秋公園の景観に溶け込む平野政吉美術館
秋田の文化遺産…平野政吉美術館




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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


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  • 2015.08.21(00:58)|意見||TOP↑
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