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2013.12.19
 人は何にふるさとへの思いを馳せ、郷愁を感じるのだろうか。

 生まれ育った土地に住み続ける人。故郷を離れ、第二のふるさとで暮らす人。数十年の後、再び故郷に戻り暮らす人。縁があって新たな土地に住み続ける人。転勤などで各地を渡り歩く人………。
 様々な人々が、ふるさとを思い続け、愛し続けているだろう。

 生まれ育った土地に長く住み続ける人が最もふるさとを愛している人達とは言い切れない。
 故郷の良さ、欠けている点を客観視できないからである。
 生まれ故郷を離れ、第二の土地で暮らす人や長い年月の後、再び故郷に戻ってきた人が、ほかの土地との比較などによって、故郷を客観視でき、故郷への思い入れ、愛着が最も強い人達と言えるかも知れない。

 それぞれの立場の、故郷への愛ある人々の中で、ある人は家族に、ある人は旧知の人々に故郷を感じることだろう。
 しかし、最も普遍的な対象は、ふるさとの山であったり、川であったり、海であったり、ふるさとの自然そのものではないだろうか。
 そして、学生時代の通学路であったり、良く通った公園、建物など造形物、思い出深い場所に郷愁を感じるものである。

 自分のふるさとから、親しんできた、思い出の場所や良き造形物が消えるのは、悲しいことであり、そして、ふるさとの魅力が一つ消え去ることになる。
 自分の住む街が、魅力のない、つまらない街になってほしくない。
 秋田市の千秋公園の一角にあり、周囲の景観に溶け込み、秋田の文化の象徴であった「平野政吉美術館」。
 この魅力ある美術館を閉鎖してしまった秋田県。
 秋田の良きものがまた一つ消されようとしているようだ。
 秋田県は、こうも情けない、哀れな県なのか?



<関連記事>
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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


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平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


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  • 2013.12.19(05:30)|随想||TOP↑
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