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2013.12.30
 JR東日本のテレビCMで、吉永小百合さんが話した「たった一枚の絵を観に行く。旅に出る理由は簡単でいいと思います」
 この言葉に誘われて、藤田嗣治画伯の大壁画「秋田の行事」を観に新県立美術館を訪れた旅行客が、「秋田の行事」を観れないという事態が起こったらしい。
 首都圏から秋田まで、通常のJR運賃なら往復3万円以上は掛かるが、「秋田の行事」を観る ― ただそれだけの理由で旅に出た人にとって、その「秋田の行事」を鑑賞できないとは夢にも思わなかったことだろうし、苦情が殺到したというのもよく分かることだ。
 企画展の展示準備のため12月5日、6日に、壁画展示室を閉鎖せざるを得なくなり、「秋田の行事」を公開出来なくなったのが原因らしい。
 「おもてなし」の掛け声の下、秋田県内全域でDC(デスティネーションキャンペーン)が行われている最中にこの不祥な出来事である。
 こういった出来事が口コミになり、秋田県の評価の低下を招いていくことを、関係者は気づいているのだろうか。
 現在の企画展が終了した際にも、同様の事態が起こることが予想されており、再び苦情が噴出することが十分予想される。また、ある程度の規模の企画展開催の際は、同様に「秋田の行事」非公開の事態になることも予測される。
 県はこういった事態に起こらぬように、建物の設計に十分配慮すべきであったのに、それが出来なかったようだ。「世界的」であるという建築家・安藤忠雄氏の言いなりの建物を造ったつけが回ってきたようである。

 最も良い解決策は、従来の県立美術館を耐震補強、改修を施した後、「秋田の行事」専用の「藤田嗣治『秋田の行事』展示館」として、再び利用することだろう。
 秋田を訪れた人々をもてなす、「迎賓館」の機能も持たせるとさらに良いのではないか。

 藤田嗣治直々のアドバイスを取り入れた、悠々とした広いスペースと、上方からの自然光による採光形式の展示室は、「秋田の行事」の鑑賞に最適な空間であったし、遠来の来観者を相乗的に感動させるに違いない。

 県は、従来の県立美術館を閉館にし新築の美術館への移転を終えた後、今になって耐震診断、老朽化調査を行うとしている。順序が全く逆であり、定まった方向性もない。解体するための口実を造ろうとしているようにさえ思える。

 千秋公園の景観に溶け込んでいると、新美術館への県内外からの来館者にも評価されている、旧来の県立美術館は残すべきだろう。
 そして、「藤田嗣治『秋田の行事』展示館」として再出発させるべきである。
 新美術館と共存共立させることにより、企画展準備のために「秋田の行事」を公開できないという事態も防止できるのである。
 「たった一枚の絵を観る」ために訪れた人が、その絵を観れないという事態は回避させるべきである。

 以上が、当ブログからの提言だが、ご賛同いただける方は、是非、お考え頂きたいと思う。



<関連記事>
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について

平野政吉美術館と一体である藤田嗣治作品
秋田の文化遺産…平野政吉美術館



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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
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提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
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  • 2013.12.30(05:00)|提言、意見||TOP↑
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