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2012.02.06
P1010152 平野美術館(冬)800x600.jpg
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)

P1010172新県立美術館(冬)800x600.jpg
建設中の新秋田県立美術館

 20億円の建設費を掛けて建設中の新秋田県立美術館。この美術館に相応しい展示、利用方法について、県民的な論議がされたことが一度でもあっただろうか。県によって、展示は初めから財団法人平野政吉美術館が所蔵している藤田嗣治作品と決めつけられているようだが、何故、藤田嗣治作品でなければならないのか。明確な理由があるのだろうか。藤田嗣治作品に相応しいのは、「秋田の行事」を始めとする藤田嗣治作品のために、平野政吉が建てた平野政吉美術館(現秋田県立美術館)であることは言うまでもない。
 世界的な画家、藤田嗣治が1937年(昭和12年)に秋田で描いた大壁画「秋田の行事」。昭和12年当時の秋田の人々の暮らし、祭り、年中行事が描かれ、当時の秋田の産業や歴史も読み取ることができる迫力ある大壁画である。藤田嗣治の作品中最大の壁画であるが、一方で現在の人々に魅力的に映っているかどうかは慎重に考える必要がある。県外からの入館者はこの作品を観て、感動して涙を流す人もいると言うが、現代の秋田との繋がりを感じ取れないと言う秋田の若い人たちもいるのが現実だ。また、平野政吉美術館所蔵の藤田嗣治作品は1930年代のものが多いが、これらの作品が、これからの時代の新しい街に最適なものなのかどうか、新しい街のにぎわい創出に適しているかどうかを冷静に考える必要がある。
 「秋田の行事」を始めとした平野政吉が生涯を懸け収集した藤田嗣治作品は、藤田嗣治の助言を取り入れた平野政吉美術館(現秋田県立美術館)にあってこそ、重厚な存在感を増す。観る者に感動を与える。
 県は初めから「秋田の行事」を再開発地区の目玉したいとし、藤田嗣治作品の移転を決めつけ、「新県立美術館基本計画策定委員会」を設置し、基本計画案を県教育長に提出するという手順を踏み、移転の既定事実化を計ったが、この策定委員会の人選も中立性のあるものではなかったし、幅広い県民の意見を聞き、熟慮、検討した結果の計画ではなかった。
 現代において、美術館が街のにぎわいに寄与し、注目を集めている例は、金沢21世紀美術館、十和田市現代美術館、香川県直島地中美術館など現代アートの展示によるものがほとんどである。先日、秋田を訪れた著名美術評論家も「21世紀の美術館は、人が集う文化創造の場である」と語っている。秋田の新美術館もそう言った視点に立ち、展示物や利用方法を熟慮すべきである。
 また、先月、現県立美術館で秋田市出身の現代アートの美術家が中心となった展示会があり、注目を集めていたが、そういった事実も踏まえ、新県立美術館は現代アートに着目した展示、利用方法を考えるのが最善ではないか。また、もう一つの案として、秋田の伝統芸能に着目し、全国最多(16件)を誇る重要無形文化財や秋田民謡を披露する場として利用するのもよいのではないか。


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藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


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提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
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  • 2012.02.06(02:01)|評論||TOP↑
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