<< topページへ
TOP
2011.10.20
 著名建築家の設計したもので「水」を題材にした美術館はほとんど見当たらない。大量の水の使用はリスクが多く、美術館には不適当であるからだろう。美術館は言うまでもなく、訪れた人が美術作品と向き合う場であり、優れた美術品に触れ合い、心豊かな充足感を得る場所である。水を眺めて安らぐ場所ではない。

 一方、著名建築家の設計したもので「光」を題材にした美術館は多くある。クロード・モネのように「自然光で見て欲しい」と語った画家もいるように、美術品や美術館は光とよく合う。モネの「睡蓮」を収蔵しているオランジュリー美術館やルーブル美術館も館内に豊かな自然光を採り入れている。日本の妹島和世氏と西沢立衛氏の建築ユニットSANAAが設計したランスのルーブル美術館新館も自然光を最大限に活用するためのガラスの平屋根を採用しているなど、光がテーマになっている。

 秋田の平野政吉美術館も「光」が一つのテーマになっている美術館である。平野政吉が生前、パリ郊外の藤田嗣治を訪ねた際、藤田から「美術館の屋根は、ランス礼拝堂のような採光の形式にしてくれ」と言われ、平野政吉はその助言を忠実に守り、平野美術館の屋根には丸窓が付けられ、館内に自然光が降り注いでいる。

 平野政吉美術館が藤田嗣治と平野政吉の心が込められた、自然光を採り入れた美術館であることを我々はよく自覚すべきである。先人が残してくれた貴重な文化遺産として大切に後世に伝えていくべきである。



(注、当ブログ著者からのお知らせ) 当ブログ著者が、2011年(平成23年)12月6日、平野政吉美術館にて確認したところ、美術館の屋根の丸窓から展示室に降り注ぐ自然光が、現在、設置された仕切りで遮られています。藤田嗣治が助言した自然光の採光形式にすべきと考えます。



(関連記事) 
大量の水を使用した美術館は危険である
平野政吉美術館と一体である藤田嗣治作品
安藤忠雄氏設計の美術館は必要?
建築家・安藤忠雄氏と秋田との関わり
美術館と建築家…ルーブル、金沢21世紀、十和田、ニューヨーク
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の丸窓について
美術館と自然光について


<お薦め記事>
秋田の文化遺産…平野政吉美術館
平野政吉の業績…平野コレクションと美術館
平野政吉のエピソード
平野政吉美術館と一体である藤田嗣治作品
平野政吉美術館の移転理由は何か [新規構成]
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 1 … 出会い
大壁画「秋田の行事」誕生、美術館の壁画に … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 3
18年ぶりの再会、念願の美術館建設の実現 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 4
最後の作品「平和の聖母礼拝堂」、永遠の別れ、永遠の友情 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 5
藤田嗣治が助言した平野政吉美術館の採光
発見された藤田嗣治の日記と「秋田への思い」、「秋田の行事」、「美術館建設」



スポンサーサイト



藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

(参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

(2015年9月)



新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)



 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)


関連記事
平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


ブログランキング・にほんブログ村へ   にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録



  • 2011.10.20(00:55)|メッセージ||TOP↑
    2011.08.04
     日本の建築家が海外の有名美術館の設計を担当することが時々聞かれる。フランス、ルーブル美術館別館の設計では、国際的な設計競技を勝ち抜き、妹島和世氏と西沢立衛氏の設計事務所、SANAAが選ばれた。このSANAAは、金沢市民に「まるびー」(丸い美術館)と呼ばれ、親しまれている金沢21世紀美術館を設計し、2010年(平成22年)、建築界のノーベル賞といわれるプリッカー賞を受賞している。また、西沢立衛氏は、2008年(平成20年)開館した青森県十和田市の十和田市現代美術館を設計した。街と一体となった美術館として、高い評価と人気を得ている。1983年(昭和58年)、秋田市の秋田市立中央図書館明徳館の設計を担当した谷口吉生氏はその後、2004年(平成16年)に、ニューヨーク近代美術館(MoMA)新館を設計した。自然光を採り入れた開放感溢れる美術館として評価されている。先日、秋田市中通の再開発予定地に建設予定の新秋田県立美術館の設計を担当した安藤忠雄氏の講演会が秋田市で開催されたとのことだ。出席者の話によると、話の中で、安藤氏はしきりに「ここに来た人は、新美術館に週3回来てほしい」と言っていたとのことだ。自信のなさの表れなのか。週3回とは、年156回である。美術館に年156回通えとは度を越えている。金沢21世紀美術館は、「子供」が楽しめる工夫を凝らした展示で、市民の理解、評価を得て、家族連れなどでにぎあうようになったという。秋田市の新美術館も見習うべきである。藤田嗣治作品の展示は平野政吉美術館がある。新美術館は「子供」をテーマとした展示内容に創造すべきである。


    <お薦め記事>
    平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
    平野政吉の業績…平野コレクションと美術館
    美術館と自然光について
    平野政吉のエピソード
    平野政吉美術館と一体である藤田嗣治作品
    平野政吉美術館の移転理由は何か [新規構成]
    平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 1 … 出会い
    大壁画「秋田の行事」誕生、美術館の壁画に … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 3
    18年ぶりの再会、念願の美術館建設の実現 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 4
    最後の作品「平和の聖母礼拝堂」、永遠の別れ、永遠の友情 … 平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史 5
    藤田嗣治が助言した平野政吉美術館の採光
    発見された藤田嗣治の日記と「秋田への思い」、「秋田の行事」、「美術館建設」
    藤田嗣治画伯の「秋田の行事」はあの建物と一体になってこそ秋田の宝







    藤田嗣治は、壁画「秋田の行事」が完成した当時から、美術館は、自然光による採光形式にしたいという意向を持っていた。
    1963年、平野政吉の親族に渡した美術館のイメージ図にも、壁画を大空間に展示し、上方から自然光を取り入れるよう描かれている。
    1966年5月、美術館建設の報告に訪れた平野政吉に、美術館の屋根は採光の形式にするよう、助言している。

    (参照 … 発見された「幻の藤田美術館」の設計図と、現県立美術館への藤田の助言を示すメモと手紙
    平野政吉美術館(秋田県立美術館)の採光について
    開催中の企画展「藤田嗣治の祈り 平野政吉の夢」 …… 「なぜ この美術館が閉館なのか?」という疑問

    (2015年9月)



    新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

    以前より展示室が狭くなった。
    「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
    階上の左右から見ることが出来なくなった。
    照明の照り返しがきつい。
    2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
    展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
    以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
    新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
    あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

    などの声が上がっています。
    (2014年2月)




     「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
    (2013年8月31日)



     現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
     平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
    (2013年8月1日)



     現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
     

     ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
    (2013年5月15日)


    関連記事
    平野政吉美術館の大展示室と藤田嗣治「秋田の行事」 ~ 永遠に

    秋田県立美術館(平野政吉美術館)の閉館、大壁画「秋田の行事」展示室の閉鎖及び「秋田の行事」、藤田嗣治作品の移転について
    美の巨人たち 藤田嗣治 「秋田の行事 」 ― 視聴出来なかった秋田県の方々に、一部誌上再現!
    現秋田県立美術館(平野政吉美術館)に展示されている藤田嗣治「秋田の行事」


    お薦め記事 … 郷土・秋田の文化遺産を継承する会
    ご挨拶 … 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)を、藤田嗣治「秋田の行事」、藤田嗣治作品の恒久的な展示、鑑賞の場に
    平野政吉と藤田嗣治の交友の歴史
    現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の丸い採光窓

    提言:新秋田県立美術館は、収蔵作品を持たない企画展に特化した美術館にすべきである。
    現秋田県立美術館の展示室が優れているこれだけの理由


    ブログランキング・にほんブログ村へ   にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録



  • 2011.08.04(17:15)|評論||TOP↑
    プロフィール

    akitacolumn

    Author:akitacolumn
    秋田市在住
    性別 : 男

    カレンダー
    05 | 2017/06 | 07
    - - - - 1 2 3
    4 5 6 7 8 9 10
    11 12 13 14 15 16 17
    18 19 20 21 22 23 24
    25 26 27 28 29 30 -
    ブログランキング
    メール
    My Yahoo!
    My Yahoo!に追加
    最新記事
    全記事表示リンク
    最新記事②
    Twitter
    サイト内ランキング
    hatena bookmark
    タグ

    再開発事業 十和田市現代美術館 レオナール・フジタ 平野政吉コレクション SANAA 平野政吉 秋田の全貌 再開発 欧人日本へ渡来の図 ルーブル美術館新館 (公財)平野政吉美術財団 現県立美術館 建築家 平和の聖母礼拝堂 秋田 課題山積県 御隅櫓 カーニバルの後 銀座コロンバン天井画 都市公園 学芸員 公共施設 神奈川県立近代美術館鎌倉館 幻の藤田美術館 藤田の思い、メッセージ 相乗効果 市民 新秋田県立美術館 新県立美術館 文化ゾーン 秋田県立美術館 藤田嗣治「秋田の行事」 巴里の横顔 ミュージカル 眠れる女 安藤忠雄講演会 文化的価値 久保田城 詩の国秋田 共存 巴里の昼と夜 現代壁画論 壁画 入館者数 秋田市 秋田県 金沢21世紀美術館 花鳥図 丸窓 千秋公園 ルーブル美術館別館 美術館の価値 にぎわい交流館 現秋田県立美術館 ルーブル美術館 現代日本 美の巨人たち 秋田市中通再開発 ニューヨーク近代美術館新館 地を泳ぐ 平野政吉美術館 秋田県記念館 現代アート 藤田嗣治への旅 県民の声 自然光 魅せられたる河 マドレーヌ 美術館 秋田駅前 秋田の行事 歴史的建造物 耐用年数 佐竹史料館 藤田嗣治「秋田の行事」展示館 秋田市中通 北の丸公園 藤田嗣治 SANAA 市民公園 乳白色の下地 郷愁 

    カテゴリ
    秋田の文化遺産を考える
    このブログをリンクに追加する
    リンク
    FC2ブログランキング
    フリーエリア
    Bダッシュ
    月別アーカイブ
    RSSリンクの表示
    QRコード
    QR
    お知らせ
    ※ 掲載の記事、写真等の無断転載を禁止します。